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バレンタイン限定クエスト 採取アイテムカカオ レアカカオ ロイヤルカカオ バレンタイン限定クエスト 売買不可 画像 完成品 主材料 副材料 備考 ロイヤルチョコレート 売買不可投げつけられたプレイヤーは2日間睡眠状態にならない ピュアチョコレート 売買不可投げつけられたプレイヤーは1日間睡眠状態にならない ビターチョコレート 売買不可投げつけられたプレイヤーは数時間睡眠状態にならない 採取アイテム カカオ 画像 完成品 主材料 副材料 備考 スウィートステッキ カカオ×50 レアカカオ×10ロイヤルカカオ×1木の杖×1 甘党の称号 スウィートシールド カカオ×30 レアカカオ×3ウッドシールド×1 甘党の称号 ココア カカオ×5 一定時間睡眠状態を防ぐ ロールハンマー カカオ×99 レアカカオ×30ロイヤルカカオ×3 甘いの称号 採取場所 取得中です。 カカオを副材料に使用するアイテム 取得中です。 カカオを使用する武器 取得中です。 レアカカオ 画像 完成品 主材料 副材料 備考 ミルクココア レアカカオ×1 一定時間睡眠状態を防ぐ 採取場所 取得中です。 レアカカオを副材料に使用するアイテム 取得中です。 レアカカオを使用する武器 取得中です。 ロイヤルカカオ 画像 完成品 主材料 副材料 備考 ロイヤルココア ロイヤルカカオ×1 一定時間睡眠状態を防ぐ 採取場所 取得中です。 ロイヤルカカオを副材料に使用するアイテム 取得中です。 ロイヤルカカオを使用する武器 取得中です。
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第3弾 反逆の騎士 BEFORE PACK:未知なる力 NEXT PACK:再生の鼓動 この弾に収録されているカード 全101種 第3弾 反逆の騎士 この弾に収録されているカード 全101種青 緑 黒 赤 紫 青 ユニット レアカードガリアン (メタルPR) グランチャー(ユウ機) グランチャー(ジョナサン機) (メタルPR) アンコモンカードピグシー ウィンガル・ジー コモンカードボゾン ナムワン グランチャー シールズ プロマキス キャラクター レアカードジョナサン・グレーン ジョルディ・ボーダー アンコモンカードニー・ギブン アズベス コモンカードキーン・キッス ケイディ・ディン アノーア・マコーミック チュルル コマンド レアカードオーガニック・エナジー (スターター専用) 白い谷の伝説 (メタルプレミアPR) アンコモンカードオーラロード チャクラ・シールド コモンカード気迫の勝負 深海を発して 逃亡の旅 緑 ユニット レアカードディマージュ(カルラ機) レイズナー(V-MAX) (メタルPR) レッドテイル (メタルPR) アンコモンカードホバギー センドビード コモンカードアースサンダー スカルガンナー ベイブル バルディ パト・シップ キャラクター レアカードエジール・カルラ フェイ・ヴァレンタイン アンコモンカードデビッド・ラザフォード ロアン・デミトリッヒ コモンカードダイク チル アシモフ・ソーレンサン カテリーナ コマンド レアカードブレーカーの暗躍 (スターター専用) カウボーイ (メタルプレミアPR) アンコモンカード生きる道を求めて アステロイド・ブルース コモンカード戦意喪失 蛮行の代償 ブラッディ・アイ 黒 ユニット レアカードベルゼルガ (メタルPR) ドラグナー1型(キャバリアー0) (メタルPR) ジグ・マック アンコモンカードギラン・ドゥ グラム・ザン コモンカードマーシィドッグ スタンディングタートル 訓練用ポッド ドラ・アングル コポラ キャラクター レアカードル・シャッコ ジョーダン・ベス アンコモンカードダイアン・ランス カララ・アジバ コモンカードココナ バニラ・バートラー ベン・ルーニー マヤヤ・ラウ コマンド レアカード緑の地獄 (メタルプレミアPR) 異星人との接触 (スターター専用) アンコモンカード翻弄 ゲージの輝き コモンカードビーラーゲリラ 軍事教練 燃える亜空間 赤 ユニット レアカード超竜神 (メタルPR) グラスゴー(カレン機) ランスロット (メタルPR) アンコモンカード氷竜 炎竜 コモンカードS-グライア EI-03 グラスゴー サザーランド 特派ヘッドトレーラー キャラクター レアカードルルーシュ・ランペルージ 枢木スザク アンコモンカードアマンダラ・カマンダラ 天海護 コモンカード初野華 シャーリー・フェネット ジェレミア・ゴットバルト ヴィレッタ・ヌゥ コマンド レアカードパイロットの拘束 (スターター専用) 絶対遵守の力 (メタルプレミアPR) アンコモンカード強敵の出現 真の勇者 コモンカード有翼人の伝承 シンメトリカルドッキング 生徒会 紫 コマンド サンライズレアカード勇気と知略 (ブースター専用)
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【別名】 valentine , another , 駈け出しタイパー聯合入れて 現在はanotherという名前で活動している。 正確性が高い 【e-typing】 ローマ字 712pt(擬音・擬態語/第1158回) 長文 809pt(秋長文/2023.09) 【寿司打】 お手軽 10,840円お得 お勧め 21,100お得 高級 31,820円お得 高級一発勝負 22,260お得 【popタイピング】 61,058粒 【Twitter】 https //twitter.com/kinntama14 【Youtube】 https //www.youtube.com/channel/UC-iBmzkILWBrZ-KJqjrCcJQ
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『殉ずる者たち』◆XksB4AwhxU ある男がいた。 その男は、師が、友が命を引き換えにしてまで守った「里」を、どんな犠牲を払ってでも守ると誓った。 その男の人生を一言で表すなら、まさしく「闇」であった。 師の最後の言葉に従い、師が統治していた里の「光」を友が、「闇」を自分が背負う事となった。 師の判断は、正しかったのであろう。あの時命に代えて仲間を逃がそうと志願した友は、里の英雄となり優秀な弟子を育て、そして最後はあの時と同じように命と引き換えに里を守り死んでいった。 自らの使命は、里の「光」を支える「影」となる事だった。 ......里の「影」である為には、「光」以上の力が必要だった。 友の弟子であり、闇に落ち修羅となった悪魔に魂を売った。 師が生前危惧していた一族も、彼の危惧通り里に仇名す危険分子となったため滅ぼし、一族が持っていた「力」を奪い取った。 全て、里が平和であり続ける為の止むなき犠牲だ。そしてそれを背負うのは、「影」である自分だけでいい。 全て「影」である自らがやった事だからこそ、「光」は「光」であることが出来た。 「光」であった友の死後、自らの行為を、「闇」を背負っていたが故に「光」を受け継ぐはずの後継者は何も知らず、里は”間違った方向”へと進んでいた。いよいよ、自分が出るしかなくなったのだ。 そして、己の命を引き換えにして里を守ろうとした男の行く末は......完全なる「闇」であった。 光があれば、闇があり 光が当たれば、必ず「影」が出来る。 それがこの世の真理だ。 この世は地続きであり、誰かが幸福になれば、必ず誰かがその分のカスを掴まされる。 幸福と不幸は、神の視点で見ればプラスマイナスゼロ。 ある男がいた。 男は父親が命を懸けて守った家族と国に対する「誇り」と「愛国心」を継ぎ、やがてその国の頂点まで上り詰めた。 男は「幸福」を望んだ。 自らの国を信じて戦った父親の死を無駄にする訳にはいかなかったのだ。 だが、現実は甘くない。自らの国を襲う危機は山ほどある。何かを決断するたびに何かが犠牲になった。 誰もが幸せな世界など、ある訳がない。ならばどうするか? 簡単だ。誰かにそのカスを掴ませばいい。 自分の国ではない「どこかの誰か」に、不幸を擦り付ければいい。 これは誰かが決める事なのか? 違う。一番最初に「ナプキン」を取った者が決めている。 誰かが最初に「ナプキン」を取れば、後の者もそれに従わざるを得ない。それがこの世の「基本」であり「ルール」だ。それが男の持論であった。 誰かがやらねばならない。男はそう決意し、どんな犠牲を払ってでも「幸福」を手にすることを決意した。 戦いには多くの血が流れた。全ては「幸福」に繋がる「力」を手にする為の犠牲のはずだった。 そして、男は...........戦いに敗れ、自らの命をその国に殉じた。男は最後まで、自分の国の繁栄を願っていた。 まず.....志村ダンゾウが目にしたのは、「光」であった。 自らの手で閉じ、二度と見るはずのない、光――― 「ここ、は..........」 「気づいたか」 仰向けに倒れているダンゾウを見下ろすようにして、男が立っていた。 男は金色の髪に、奇抜なカールを巻き......慎重な目つきでダンゾウを見下ろしていた。 「立てるか?まだ無理はしない方がいいと思うが.............」 「どこだ、ここは............ワシは何故、生きている............」 「あぁ.....確かに、ひどい有様だったよ。身体がボロボロで、既に死にかけていたからな..........”間に合わなければ”、君は死に、私は消滅していたな」 「な、に.....何の、事だ......貴様、何者だ.......?」 身体の激痛に耐え、無理して立ち上がろうとするも.....やはり体力が著しく消耗しており、倒れてしまう。 「おっと、無理をしない方がいいな............. 私の名は、ファニー・ヴァレンタイン.....君のサーヴァントだ、志村ダンゾウ.....」 「ファニー....?だから貴様、ここは何処なのだと聞いておるのだ。 まさか貴様、二代目の穢土転生の術を使いワシを........!」 「まぁ、落ち着くんだ。生憎私はエドテンセイなんて物は知らないし、第一、君を蘇らせたのは私ではない。.......もっとも、「基本世界」の君は蘇った直後に死んでしまったがね..........」 「だから何を言っておる........「基本世界」がどうのだと.........それなら、ここにいるワシは何だというのだ!?」 「ここにいるのは「志村ダンゾウ」だ」 ヴァレンタインが、傍に置かれているテーブルまで歩く。奇妙な事に、彼の歩く床には、立てるはずの足音が無かった。 「それ自体には、何の変りもない」 男は、物音を立てずにテーブルまで歩き終えると......コーヒーカップを手にした。 「そして正確に言えば、私が連れてきた"無事だった世界の"「志村ダンゾウ」だ」 男は、何も注がれていないコーヒーカップを飲むような仕草で持ち、口まで運ぼうとする........ここで、奇妙な事が起こった。 「コーヒーカップの中から、コーヒーカップが出現した」のだ。出現したカップは重力に従って、ポロリと落ち、割れる。.......が、聞こえてくるはずの甲高い音は聞こえなかった。 「"Dirty Deeds Done Dirt Cheep"......これが、私の"能力"だ」 男は床の割れたコーヒーカップを踏みつけ、ダンゾウに迫る。踏みつけたはずのコーヒーカップは、奇妙な事に床から消えていた。 「(.......来るか........クソ、体がまだ.......動けぬ)」 迫ってくるヴァレンタインを前に、何とか立て直そうとチャクラを練るダンゾウ。 「そして、この"聖杯戦争"........勝つのは我々でなければならない」 ダンゾウの右目にチャクラが集まるのと、ヴァレンタインの手がダンゾウの額に触れるのが、ほぼ同じ瞬間であった。 「成程.......”聖杯戦争”.....か。 .どうも貴様もワシも、死んで尚妙な事に巻き込まれるものだな」 「あぁ......敵は十四組。主従のサーヴァントを、倒さねばならない。私はこれを、「試練」であり、「超えるべき壁」と心得ている。」 「.................」 「「試練」には必ず「戦い」があり、流される血がある.......「試練」は「供え物」だ.......「強敵」であるほどよい」 「成程.....だが、”主従”というのはどういう事だ?」 必ずしも協力できるわけはないではないか――――”お前のようにな”」 「......各マスターには、”令呪”が与えられている.......それを使えば、命令をサーヴァントに与えられる.......」 「.........ふむ.......なら貴様、なぜそれをワシに黙っていた?」 「............................」 「..........................私には、「愛国心」がある............国の為に、そして、間違ってもその力を自分の為にしか使わない”お前のような”ゲス野郎に与えない為に...........聖杯は、渡すことは出来ない.................」 「....................」 「...............「愛国心」か、よく言った物だ...........だが、貴様の好きにさせる事は......できんな」 「........................................」 「貴様の「能力」.........ワシの為に、使わせてもらうぞ」 始め、あの男は「君を傷つけるつもりはない」と宣言し、今置かれている状況、即ち「聖杯戦争」についての説明を始めた。 しかし、ダンゾウはそれを良しとするはずはなく........この男の得体のしれない能力を危険と判断し、写輪眼を使いヴァレンタイン支配下に置いた上で改めて「聖杯戦争」について聞き出すことにしたのだ。 案の定、ヴァレンタインはサーヴァントの絶対命令権である「令呪」の存在を隠していた。 そして、その事を隠している....という事は、自分に逆らう意思があるという事。案の定、ヴァレンタインは自身を裏切る気でいた。 既にヴァレンタインには、徹底的な幻術と「舌禍根絶の印」、そして「自業呪縛の印」を掛けておいた。これで、暫くは逆らう気は起きないだろう。 「(しかし.........万華鏡写輪眼......未だ戻らぬか。忌々しい.......)」 本来、能力が分からぬ以上用心すべきと踏んで、ダンゾウはヴァレンタインに「別天神」を使用するつもりだった。 しかし、結果として発動できたのは写輪眼のみ。 まさかこんな形で再び生き返るとは思っていなかった為.....自分の死後、その絶対的な幻術を利用されぬ為右目を潰したのが、仇となってしまったようだ。 「(そして、来奴の能力........まるで、"イザナギ"のような能力だな)」 イザナギ。それは、自分の不利な現実を夢に置き換える究極の幻術。 代償として写輪眼の目の光を失うが、その効果は絶大なものがあった........生前は失明のデメリットの為、奥の手として使う他なかったのでその術の原理について知る事は出来なかったが..... 幻術に掛けたヴァレンタインの説明を聞いて納得した。成程、似ているというよりは「原理」は同じらしい。 イザナギは、目の光を代償として、”自身を並行世界へとリンクさせる”術だった、という事だ。 「(.............「愛国心」か)」 幻術に掛かり、うずくまるヴァレンタインを尻目に椅子に座りながら、ダンゾウは考える。 思えば、自分もこの男も、里や国に執着した末の末路だった。 里の為に進んで犠牲になる......「自己犠牲」の姿勢は、やはりあの時自らが囮になる事を言い出せなかった自分への戒めとして深く己の心に突き刺さっていたのであろう。 当然、部下にもそれを強いた.......里を陰から支える「根」として、深く、暗く、統率されている必要があった。根が崩れれば、その先にある「里」という大樹は枯れてしまう。 しかし、部下であるイタチはその「情」に勝てなかった。弟を残し、そして死に際に全てを喋ったのであろう........結果としてその弟......サスケは、さらに復讐に駆られる修羅となり、己を殺めるまでに至った。 生前に施した裏四象封印で死んでなければ.......間違いなく、ペインの襲来により消耗した木の葉の更なる脅威となるだろう。それだけは何としても、防がねばならない。 その為にも、この聖杯戦争は必ず勝たねばならぬ戦だ。聖杯を利用し、あのサスケを超える力を......さらには裏でほくそ笑んでいたあのマダラを超える力を......身に付けなければなるまい。 「一筋縄では行きそうもない、が.......いずれ勝つのは、このワシよ」 呟きながら、テーブルに置かれたパイプを吸う。 自身に埋め込んだ柱間細胞の恩恵により、体調は幾分安定していた。これなら少し休めばすぐにでも出陣できるだろう。 解いた包帯から覗く右目には......生前の、鋭い眼光が赤く、細く光っていた。 「.....『あっち側』に」 「「連れて来る」こともできるし、送り込む事もできる。 ....だが、「D4C」を持つわたし自身は.....まるで、『磁石』のように引き離される」 D4Cが、ドアを反対側に閉める。扉の外側にいたヴァレンタインは、身体が三次元と二次元の間で縮小される。ヴァレンタインは自身をそのまま「並行世界」へ移動させようとするが..... 「『一方通行』だ」 どじゃあぁぁぁ~~~ん、とおどけた調子で、ヴァレンタインは扉の外側から出現する。 「(これが、私のD4Cに課せられた「制限」、と言う奴か.....隣の次元に隠れ続けたり、隣の次元で「本体」の私が倒されて私の「魂」が向こうへ『行ったきり』になるのを防ぐための処置だろう)」 涼しげな顔で、ヴァレンタインは考察する。.....外側の扉から出てきた彼の視界には、奥の部屋で"並行世界"のヴァレンタインが、何らかの能力の攻撃を受けて、虚ろな顔をしているのが見えた。 「(......やはり、こうなったか。 こいつを別の世界から連れてくる時に、念のため”わたし”を連れて来ておいて正解だったようだな。 恐らくあの、ダンゾウとかいう男.....見た所、「幻覚」のスタンド能力らしき物を使って向こうのわたしを操っているらしい。 能力のトリガーは.....恐らく、男の「右目が赤く光る事」と、「その目を直視する事」......用心しなければ......)」 ヴァレンタインは、ダンゾウに令呪の事まで教えるつもりは無かった。しかし、どうもあの男の「右目」を目にした途端、表情が変わり、何故か「わたし」はペラペラと喋り出したのだ。 そして、終いには私の国、能力から目的の事まで――――あきらかに異常だった。 予め"わたし"を連れて来て良かったと喜ぶべきか、本心まで暴露されたため失策だったと嘆くべきか。 だが........手札は、既に用意してある。 「この世界」の「志村ダンゾウの遺体」。頃合いが来れば、それでこいつを始末する。残念な事に右目は潰れており、ダンゾウの能力を解明することは出来なさそうだが......... 幸い、あそこの「ヴァレンタイン」が、まんまと幻術に引っかかってくれたお陰で、令呪を使う挙動も無いようだ。暫くはダンゾウの術にハマったフリをして泳がせておくのが無難だろう。 その間に、私はもう一つの"懸念事項"を調べてみるとしよう.....。 ヴァレンタインは、生前「聖人の遺体」を巡って争い、その争いの中で命を落とした。 「聖人の遺体」――――所有者に味方し、その所有者に「奇跡」と「幸福」をもたらす象徴。 あの遺体は、「一人分」でこの世界が味方する「力」を持っていた。 魂というものには、多かれ少なかれ「力」がある。 その力の多価が、どういった基準によって決まるかは知らないが、その「力」が多いものが「英雄」とされ、死後、その魂は「英霊の座」という場所に引き寄せられるらしい。 なら、あの「聖人の遺体」はどうだ?「魂」が去った「残り香」で、あの絶大な力だ。果たしてその「魂」の力となると、英霊として昇華されれば、この世の全てを書き換えられる程の事象―――「能力」を、持つのではないか? ならば、それと同等、またはそれ以上の「魂」を味方に付ける事が出来れば.................方法は模索しかできないが、試してみる価値は、十分にある。そう彼は判断する。 いずれにせよ、油断はできない―――あの時と同じだ。「一手」を見誤れば確実に敗北する。 しかし、諦める事はできない。生前は、余裕が無かった為仕方なく並行世界のディエゴを連れて来て遺体を託す事にしたが.......やはり、それでもまだ「マシ」な程度で、安心などできるはずもない。 いずれ聖杯を獲り、受肉して復活した後、「聖なる遺体」を味方につけるであろうディエゴかジョニィと戦うためにも.......それ以上の「力」を、手に入れる必要がある。 「勝つのは―――この、ヴァレンタインだ」 翻し、町へ赴く。 町は早くも、戦いが始まろうとしていた――――― 【クラス】アーチャー 【真名】ファニー・ヴァレンタイン 【出典作品】Steel Ball Run 【ステータス】筋力E 魔力E 耐久E 幸運C 敏捷B 宝具EX 【属性】 悪/秩序 【クラススキル】 対魔力:C 第二節以下の魔術を無効化する。 大魔術や儀式呪法などを防ぐことはできない。 単独行動:B マスターからの魔力供給が無くなったとしても現界していられる能力。 ランクBは二日程度活動可能。 【保有スキル】 神性 C 生前、「聖人の遺体」を味方につけ、 己のスタンドを自分に向けられた「害悪」をこの世のどこかに飛ばす「D4Cラヴトレイン」に昇華させている。 「遺体」の所有者の中で誰よりも遺体の力を最大限に発揮した「才能」と遺体の「残り香」がスキルとして現れた物。 才覚:A アメリカ合衆国大統領まで登り詰めた手腕と民衆の揺るぎない『信頼』、そのカリスマ性がスキルとして昇華されたもの。 信頼を得やすく、説得や交渉において自分が有利に働く補正を持つ。 また、この聖杯戦争においてはマスターに与えられた立ち位置が高くなり、行動の制限が少々有利になる補正が付いた。 【宝具】 『Dirty Deeds Done Dirt Cheep(いともたやすく行われるえげつない行為)』 筋力C 魔力B 耐久C 幸運B 敏捷B ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:1~3(スタンドビジョン) 最大捕捉:― 物体を二つの「面」で挟み込む事により、3次元の物質を2次元に変換し、その物体を平行世界へと送り込むことのできるスタンド。 「基本世界」の人物や物体を挟んで「連れて行く」事と、並行世界の人物、物体を検索し「連れてくる」事が出来る 「並行世界」、及び「基本世界」においては、「同じもの」はヴァレンタインを除いて絶対に二つ以上存在することは出来ず、一定の距離内を超えた所で磁石の様にお互いが引き寄せあい、激突。消滅してしまう。 ただし、ムーンセルという電子空間の特性上、スタンドビジョンを持つ『本体』は隣の世界へ行くことは出来ない。しかし、隣の世界へ行く『前』のプロセス、「本体」を二次元へ変換する事は可能 (あくまで「並行世界の移動」が制限されているだけで、物質の隙間の二次元に「隠れたり」挟んだ物体のどちらかに「移動する」事は可能) また、生前「聖人の遺体」を味方につけ、自らのスタンド能力を自分に向けられた「害悪」を弾き飛ばす「D4Cラブトレイン」に昇華させた事がある。 ヴァレンタインはこの聖杯戦争において、「聖人の遺体」と同等、もしくはそれ以上の「力」を持つ「サーヴァントの魂」、「宝具」、そして「聖杯」の何れかを「味方」につける事で 再び「ラブトレイン」がこの地においても再現できるのではないか、と推察している。 【weapon】 【人物背景】 第23代アメリカ合衆国大統領。 幼少の頃に戦争に行った父親の親友から父親が命を懸けて守った国の誇り「愛国心」を最も美しい「得」だと思い、絶対の価値観とするようになる。 大統領に就任し、「スティール・ボール・ラン」レースを陰で操り、「聖なる遺体」を巡る戦いに自らの身を投じる事になる。 一度は遺体に選ばれ、絶対的な「力」を手に入れる事が出来たが、最終的にジョニィ・ジョースターに敗北。 死後を並行世界のディエゴ・ブランドーに託し、死亡する。 【出展】 NARUTO 【マスター】 志村ダンゾウ 【参戦方法】 死後に発動した『裏四象封印』発動中に『白紙のトランプ』が出現、死後の肉体とともに封印される。 結果、ムーンセルにおいて一部再生され、参戦することとなる 【人物背景】 木ノ葉隠れの里で暗部養成部門「根」の創設者かつリーダーを務める男。 暗部の忍に対し強い影響力を持っており、里の中でも「忍の闇」の代名詞的な存在で汚れ役として活動していた。 ペイン襲撃後、六代目火影を強制的に襲名し、その後の五影会談で「別天神」を使い、自分を忍連合の総裁になるよう操っていた。 結果計画は失敗に終わり、仮面の男とサスケの襲撃を受け交戦、 追い詰められ、自らの死期を悟り「裏四象封印術」を発動、死亡した。 【weapon】 写輪眼(万華鏡写輪眼) かつてうちはシスイから奪い取った右眼の写輪眼。 ただし、死後自ら潰したものを復元(再現)したため、不完全な形で再生されており、「万華鏡写輪眼」及び、それに準ずる「別天神」は使用不能となっている。 また、ダンゾウは右腕に10個の写輪眼を埋め込んでおり、そちらは再生こそされているものの生前、全てに「イザナギ」を発動したため現在は使用不可能。 柱間細胞 右腕に初代火影、千手柱間の細胞を移植させた物。 ムーンセルではチャクラを魔力に還元して使用できる為、魔力の回復、供給率が極めて高い。 また、木遁として右腕を変異させ大樹を出すことが出来るが、大量のチャクラを消費してしまう。 【能力・技能】 忍術 風遁の使い手であり、生前に使用した基本忍術の殆どは使用可能。 ただし、ムーンセルという空間の特性上「口寄せの術」は使用できない。 イザナギ 失明を対価として、右眼の写輪眼を用いて使用する究極幻術。 眼の光を失う代わりに、制限時間の間は、術者に死を含めた不利な展開を夢にして攻撃など有利な展開を現実に書き換えることができる。 ダンゾウの場合、「一分間の間、不利な事象を夢に変えられる(なかったことにできる)」。 別天神 右眼の写輪眼の元の持ち主である、うちはシスイの万華鏡写輪眼の瞳術。 対象者を幻術に掛けられたと自覚することなく操ることが出来、かかった方はそれが自分の意志だと錯覚して動く。 「イザナギ」同様、その効果は幻術に留まらずこの世の事象を書き換えてしまう程強力な物だが、万華鏡写輪眼が不完全な形で再現されてしまっている為現時点での使用は不可能。 【マスターとしての願い】 里の為、そして自らの野望の為にどんな手段を使ってでも聖杯を獲る
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49 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[age] 投稿日:2008/02/03(日) 23 54 38 ID txryF6CS 今月は忌々しいバレンタインがあるわけだが、コジローはなんとなく生徒から貰いまくってそうな気がする 女子生徒とか笑いながら これがアニメ版なら吉河先生からも貰えるかもしれん しかも本命 まぁ何を言いたいかと言うとバレンタイン廃止すべきだろ 51 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/02/03(日) 23 59 30 ID 9P4X/Qmy 男勢皆に同じ包装の義理チョコ配るんだけど 中身は先生のだけ、ちょ~~~っとだけ手の込んだ作りにしたりするきりのんが見たいので、駄目。 53 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/02/04(月) 00 07 59 ID Q3a4OeFF ユージダンほか部員の皆に→ゴディバ コジロー→手作り 「俺そっちのがよかったな…高そうだし…」 「(がーん…)」 (後ろからコジローに蹴りくれるサヤ) 「あんたねえ、ブッ殺すわよ!?」 コジ&サヤ→キリってこんな感じの事でしょうか 55 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/02/04(月) 00 26 24 ID IIfeNV1x それだとコジ←キリ←サヤかな コジ&サヤ→キリだとこんな? キリノ「先生、チョコいるかい?」 コジロー「マジで!?くれんのか?」 キリノ「お昼にサヤと食べた分の残りだけどね~」 コジロー「構わん構わん、いただきますっと」 サヤ「ちょーキリノ、残ってたなら言ってよ」 キリノ「あれ、サヤ、まだ欲しかったの?」 サヤ「う、うん…(だってキリノのチョコなんて今日しか食べられないし」 コジロー「うん、じゃあサヤも一緒に食うか?」 サヤ「えーっ、でも、いいよ。折角だし。貰っとけ貧乏教師!」 コジロー「遠慮すんなって。別にいいだろ?キリノ」 キリノ「あたしは別にいいっすよー、どうせ義理だし」 サヤ「じゃ、じゃあ、いただきまーす」 パンあげる子A「あれー?コジロー先生チョコ食べてる…」 パンあげる子B「さっきあたし等のはいらないって言ってたのにねー」
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スカイガールズ 本戦出場キャラ一覧(対戦表) キャラ名 担当声優 本戦組 日付 一回戦対戦相手その1 一回戦対戦相手その2 エリーゼ・フォン・ディートリッヒ 辻あゆみ C12組 8月30日 岩崎みなみ@らきすた 南夏奈@みなみけ 園宮可憐 後藤沙緒里 D05組 8月31日 泉こなた@らきすた リインフォースII@なのは 桜野音羽 川澄綾子 E01組 9月4日 久遠寺森羅@きみある 神凪綾乃@風のスティグマ 一条瑛花 伊藤静 H12組 9月20日 日塔奈美@絶望先生 灰原哀@コナン 本戦出場キャラ一覧(データ) キャラ名 担当声優 一次予選 票数 被得票率 二次予選 票数 被得票率 本戦組 日付 エリーゼ・フォン・ディートリッヒ 辻あゆみ 02組15位 202票 15.6% 09組2位 287票 27.9% C12組 8月30日 園宮可憐 後藤沙緒里 03組4位 376票 27.7% D05組 8月31日 桜野音羽 川澄綾子 07組7位 380票 26.3% E01組 9月4日 一条瑛花 伊藤静 08組5位 414票 29.1% H12組 9月20日
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パターン①悪の皆様方 「バレンタインだなあ…」 「ああ、バレンタインだよ」 「だからって、なあ…」 「所詮、俺らにゃ関係ない行事っすよ…」 ―――言うまでもなく、神奈川県川崎市。 道を往くのは世界を狙う恐るべき悪党四人。 フロシャイム川崎支部所属のメダリオ&カーメンマン。一匹狼のヒム。悪の吸血鬼ヤフリー。 世界を狙ってるくせに、話題はセコいにも程がある。 しかし―――しかし、だ。男子たるもの、バレンタインは試練の時なのだ! 「そういや思い出すなあ、メダリオ。お前、いつかのバレンタインで高級チョコを自分で買って、女の子から貰ったとか 虚しい演技してたっけ(笑)」 「なっ…おいカーメン!その事は言うなよ!」 「うっわー…そんなハズカシー真似してたのかよ」 「メダリオさん、そりゃ悲しすぎますよ…(苦笑)」 「うっうるせー!お前らだって精々母親からしか貰ったことねーくせに!」 ぐうの音も出ず、三人は黙り込むしかないと思われた。だが…そこに名乗りを挙げる勇者が一人。 「俺は…貰ったっすよ」 「ヤ…ヤフリー…お前…」 どよめく面々を睥睨し、彼は告げる。それは、まさに勝利の雄叫びだった。 「母親以外の女から、チョコを…しかも、二人!」 ババーン!そんな効果音が聴こえてきそうな程、今の彼からは<オーラ>が感じられた。 しかし。 「…どうせ<姉貴>とか<妹>とか、そんなオチだろ」 「…………」 無言で意気消沈していくヤフリー。その姿は図星と言っているも同然である。 結局、モテない同盟四人である事は揺るぎない事実だった。 というより、読者の皆様も考えてほしい。本当にバレンタインで男にチョコを贈る女なんているのだろうか? 実はただの都市伝説ではないのか?そうは思わないのか、皆さん!少なくとも筆者は見た事無いぞ、そんなん! 「…オレ、決めたぜ」 「何をだよ、ヒム」 「オレが世界征服した暁には、バレンタインを廃止する。こんな…こんな悲しみと憎しみの連鎖は―――誰かが断ち 切らなくちゃならねえんだ!今までに散っていった、多くの戦士達(おとこたち)のためにも…!」 その横顔は、眩しいくらいに気高く、そして悲しかった…。 そんな切なすぎる漢達は、揃って肩を落とす。その時だった。 「あ、いたいた!みんな、探したんだよ」 四人に駆け寄ってきたのは、悪の軍団を女手一つで統べるロリ美少女・エニシア。 重たそうな袋を抱えた彼女は、ムサいヤロー共に輝くような笑顔を向ける。そして。 「はいっ!バレンタインおめでとう!」 綺麗にラッピングされた箱が四つ、メダリオ達に手渡される。 「お、おお…!」 「これは、まさか…!」 「あの、伝説の…!」 「女の子のちょ、ちょ、ちょ…!」 恐る恐るラッピングを外して、中身を確認する―――神々しい輝きと共に(※イメージです)現れたのは、小ぶりで 形も歪な、手造り感溢れるハート型のチョコレート。 えへへ、とはにかむエニシア。 「お世話になった皆に配ろうと思ったんだけどね…たくさん作ろうと思ったら、材料が足り苦しくて、こんなに小さく なっちゃった。形もよくないし、そんなのでごめんね」 そう言いつつヤロー共を見たエニシアはぎょっとする。 四人はチョコを握り締め、まるで命を賭して闘った好敵手の最期を見届けたかのような熱い涙を流していたのだ。 そして。 「うおおおおーーーーっ!バレンタインばんざーーーーい!」 「4000年生きててよかったーーーーっ!食わねえ!このチョコは食わねえ!ピラミッドの中まで持ってく!」 「チョコレートなんて…大好きだぁーーーーっ!魔界の皆…オレは…やったぞぉぉぉぉぉっ!」 「よっしゃあ!こうなったらエニシアちゃんを胴上げだぁ!」 「え?え?」 訳の分からない間に担ぎ上げられ、天高く舞うエニシア。何が起こっているのかイマイチ理解できないが、歓喜の 涙を流す漢達の笑顔を見た彼女は<ああ、皆喜んでくれてるみたいでよかった>と微笑むのだった。 さあ漢達よ、今回のサンレッドはバレンタイン。 僕らには一切関係のないこの菓子業界と歯医者の陰謀に、川崎市の皆はどう立ち向かうのか!? 天体戦士サンレッド ~バレンタイン!それぞれの波乱 パターン②アニマルソルジャー 「いやあ、エニシアちゃんのおかげで、今年はいいバレンタインになったなー」 「ほんとっすよ。この思い出だけで、俺は強く生きていけるっす」 先程までとは打って変わってほくほく顔の漢達。現金なものである。 「えへ…そこまで喜んでもらえるなんて、嬉しいよ」 照れてほっぺを赤くしながらはにかむエニシア。心温まる光景である。 (※一応言っときますが、この連中は悪サイドです) 「ははは。で、今から他の連中のとこにも幸せの配達に?」 「うん。バイト先の人や、レッドさんとか…あ、でもレッドさんはかよ子さんがいるからどうかな…迷惑かも」 「あー、そうだなあ…レッドとかよ子さんかあ…」 「あの二人、バレンタインだからってすっげーいいことしてたりして!」 「おいおい、そういう話はよせよー」 「そうっすよー。女の子がいるってのに」 ちょっぴり下世話に盛り上がるヤロー共。そんな四人に対して。 「え?レッドさんとかよ子さんがなにするの?」 エニシアはきょとんとして訊き返した。赤ちゃんはコウノトリが運んでくるものと信じている純粋な瞳である。 ゲホンゲホンと、わざとらしく咳込んで誤魔化した所に、新たな登場人物達が現れた。 「あれ?皆して集まって、何してるの」 フロシャイムのアイドル・アニマルソルジャーのウサコッツ・デビルねこ・Pちゃん・ヘルウルフである。 ボン太くんは、今日はお休みの模様。 キュートな四匹は、当り前のように大量のチョコを抱えていた。 「おう、アニソル…って、お前ら、すっげー貰ってんのな…」 「うん。女の子達に追いかけ回されて、困っちゃったよー」 そこらのイケメンのセリフならしばきたくなるが、ウサコッツの言う事ならば許せる。だって可愛いは正義だもの。 「あはは…それじゃあ、私も追いかけ回しちゃおっかな。はい、ウサ先輩達にもチョコレート」 「あ!ありがとうね、エニシアちゃん」 「でも、そんなにたくさん貰ってたら、迷惑じゃない?」 「そんな事ないよ。嬉しいよ。そうだよねっ、ねこくん、Pちゃん、ヘルウルフ」 耳をピョコピョコさせてチョコを受け取るウサコッツ。Pちゃんは早速包みを開けてパクパクしている。 「チョコレート スキ」 ヘルウルフもご機嫌だ。しかし、デビルねこだけはどうも浮かない顔である。 「あれ…?おい、ねこ。お前、チョコ苦手だったっけか?」 メダリオの問いに、デビルねこは首を振った。 「ううん。チョコは大好きだよ。でも…」 「でも?何だよ、おい」 デビルねこは、深く、ふかーーーーーーく溜息をつく。 「食べたらダメなんだ。糖尿が…酷くなってね…」 「と…糖尿…」 「…そ…そうなんだ…」 「うん…食事制限をもっと徹底しろってお医者さんに言われてるの…」 何つーか、非常に重い話だった。何故ファンシーなぬいぐるみから、こんなトークを聞かされなければならないのか。 「そう言えば血圧もちょっとヤバかったし…四十肩も全然治らないし…歩くとすぐ息切れするし…加齢臭もますます キツくなるし…コレステロールもアレだし…痔の疑いも…あと、肝臓の数値を見たお医者さんが深刻な顔してた…」 「…ねこ。それ以上はやめとこうぜ…こっちも悲しくなるから…」 「そだね。ぼくが言えるのは一つだけだよ…健康には気を付けてね!」 ―――それは、シャレにならないほどの説得力だったという。 パターン③レッドさん かよ子さんのマンション。 すまし顔でお茶を啜るかよ子さん。 そして、やるせなさそうに頬杖をつくレッドさん。 「なあ…かよ子…言うもんじゃねえ。男の方から言うもんじゃねえのは分かってんだけどよ…」 「何よ」 「バレンタインなのに、チョコくれねーとか!去年も一昨年もその前も!つーか去年、俺アピールしたじゃん!恥を 忍んでチョコ欲しいって、すっげーアピールしてたじゃん!ヴァンプには用意してたのに俺にはねーって、やっぱり 傷つくっつーの!」 「あー、やっぱそれでヘコんでたの?あんたも可愛いとこあるわねー(はあと)」 「う、うるせー!」 「ふふ、そんなに拗ねないの」 かよ子さんはレッドさんに向けて、艶っぽくウインクする。 「あんたにはチョコレートより、もっといいものあげるから。ね?」 「な…!お、おま…そういうこと、言うんじゃねーよ…」 レッドさんは顔を真っ赤にして(元から真っ赤だが)そっぽを向く。そんなちょっぴりアダルティな雰囲気の中。 ピンポ~ン と、玄関のチャイムが鳴った。邪魔されたようなほっとしたような微妙な気分で、レッドさんが立ち上がる。 「あーもう、誰だよ…ヴァンプか?またチョコレートのお裾分けに来たんじゃねーだろな…」 そうぼやきながらドアを開けると、そこにいたのは意外な顔。 「ヤア、レッド。久シブリーッテ程ジャナイネ、コナイダ赤色戦隊ゴッコシタバッカダシ。ハハハ」 「お前…シャイタンじゃねーか!」 そう。イベリア在住の悪魔シャイタンだった。 「どーしたんだよ、また鎌仲のコンサートに出演か?ハードスケジュールだな、おい(笑)」 「イヤイヤ、今日ハレッドニ用事ガアッテネ…ホラ」 シャイタンが懐から取り出したのは、ラッピングされた四角い箱だ。 「あん?まさかこれ、チョコか?」 「ア、勘違イシナイデヨ。マサカノBL展開トカジャナイカラ(ポッ)」 「ポッじゃねーよ、気色悪りー。何だよ、たくさん貰ったからお裾分けか?」 「違ウ違ウ。ホラ、ライラノ事ハ話シタヨネ?」 「ライラ…?」 考え込むレッドさんだったが、直に得心して手を叩く。 「あーあー、思い出した!ライラって確かホラ、お前のコレだろ?」 へらへらしながら小指を立てるレッドさんである。 「モー、ソウイウ言イ方ハヨシテヨ。マア、間違ッテハナイケドサ…フフ。デ、ライラガ世話ニナッテル人ニッテ、チョコ ヲ作ッタンダヨ。コレハレッドノ分ッテワケサ」 「ほー…随分気立てがいいんだな。俺とは直接面識もねーのに、何か悪りーなー」 「ハハハ、ソンナニ褒メルナッテ。イイ女ナノハ確カダケドサー(笑)」 「おいおい、日本まで来て<嫁自慢>?このこの」 冷やかすレッドさんと照れ照れなシャイタン。そんな和やかムードは、背後からの冷たい言葉で凍り付いた。 「あらあら…あんたったら、私にチョコをねだらなくても貰えてるじゃない」 すっかり蚊帳の外にされていたかよ子さんは、完璧に左右対称の笑みを作った。そう、まさに<作った>としか表現 できない、凄絶な表情である。 「へえ~…あんたも他の人からチョコを貰える甲斐性があったんだあ~…ふ~ん…」 その笑顔の、なんと恐ろしかったことか。 かつてイベリアを震撼させた悪魔と、現在進行形で川崎を震撼させているヒーローが、揃って脂汗に塗れていた。 お前のせいだぞ、何とかしろよ。そんな想いを込めてシャイタンを肘で突っつくレッドさん。 シャイタンは頬をヒクヒクさせつつ、自信なさそうな愛想笑いをするばかりだった。そして。 「ア…アノサ…我、チョット急用思イ出シチャッタ!アステカデ<唯一神(クロニカ)>ト昼飯食ウ約束シテタンダッタ! <レコンキスタ>ト<コンキスタドーレス>ニツイテ熱ク議論ヲ交ワスンダッタ!ジャアネ、レッド!」 シャイタンは愛想笑いを浮かべたまま翼を広げ、大空へと飛び立ち、あっという間に見えなくなった。 恐らく、マッハ10は出ていただろう。流石は伝説の悪魔だ、とレッドさんは妙な所で感心するのだった。 「って感心してる場合じゃねーよ!テメー、おい、待て!」 待て、と言った所でシャイタンは既に空の彼方。 後には立ち尽くすレッドさんと、張り付いた様な笑顔のかよ子さんだけが残されたのであった。 ―――なお一時間後、ようやくかよ子さんが機嫌を直した所でエニシアがチョコを持って来て、更に修羅場な空気に なってしまったそうだが、それは全く別のお話である。 パターン④軍曹 とあるマンションの一室。 高校生と思しき男女がチョコレートケーキを挟んで向かい合っていた。 サクッ。パクッ。 「どうよ、宗介。感想は?我ながらよく出来てると思うんだけど」 「肯定だ、千鳥。とても立派な菓子に仕上がっている」 相良宗介は、無愛想な顔をほんの少しだけ緩めて(普通の人間ではまず気付かない変化であるが)頷く。 「カカオの香りが食欲を程良く刺激し、味覚に対する期待を否が応にも高める。口内に入った瞬間にチョコクリーム がふわりと溶ける食感も中々だ。チョコの甘みと苦みが染み込んだスポンジも相まって(以下省略)」 「何でアンタはそんな堅苦しい感想になるんだか…」 呆れた風を装いながらも、千鳥かなめは嬉しそうに笑っていた。 「ま、いいわ。褒めてるんだから、よしにしたげる」 そう言って、美味しそうにチョコケーキをぱくつく宗介を、彼女には珍しい事に優しく見守るのだった。 日本一(世界一か?)非常識な高校生も、今日ばかりは常識的にバレンタインを謳歌していたとさ。 ―――ちなみに、とある潜水艦の中では。 「…はあ」 テレサ・テスタロッサは、デスクの上の物体を涙目で眺め眇める。 仔細にその形状と色彩を表現するのは難しい。例えて言うなら、前衛芸術だった。 一応言っておくが、これはチョコレートケーキである。 少なくとも、彼女はそうなるように作ったはずだった。 「こんなの渡したら、絶対嫌がらせだって思われちゃう…」 黒焦げの前衛芸術をゴミ箱に突っ込み、テッサは不貞寝するしかなかった。 「結局当て馬扱いなのね、私って…いいのよ、分かってるから。原作からしてそうだもの…」 ―――悲しいバレンタインを過ごすのは、何もモテない漢ばかりではないというお話だったとさ。 パターン⑤望月ジロー 「…ごめん、ジローさん。まさかこんな事になるとは思わなくて…」 愛嬌たっぷりのアヒル口少女・ミミコさん。 彼女は望月ジローと望月コタロウの吸血鬼兄弟を女手一つで養っています。 さて、そんな彼女の眼前では、ジローさんが口から煙を吐いていた。 「ミミコさんの…せいでは…ありません…私も…迂闊でした…」 青息吐息で、ようやっと言葉を発する。 「バレンタイン、とは…そもそも…聖人ヴァレンティヌスが死した日…云わば、聖なる日です…そんな日に贈られる チョコにも…神聖な力が宿ったとしても…おかしくは…ない…」 「いや、その理屈はおかしいよ、兄者…」 コタロウはツッコミを入れたが、ミミコさんから貰ったチョコを食った瞬間に彼の兄はこの有様である。 彼の中に流れる血が、神聖な存在であるバレンタインチョコを拒絶したとしか考えられない。 「ふ…この身に宿す黒き血は…どうやら、バレンタインを楽しむ事すら赦してはくれないようです…それもまた、私 の宿命なのでしょう…」 「いや、いくらカッコつけてもカッコよくないから」 ―――望月ジロー。彼もまたバレンタインに苦悩する漢の一人であった。 通常とは、かなり違う意味で。 パターン⑥ヴァンプ様 川崎支部の居間には、山と積まれたチョコレート。 何故か大量の味噌やら醤油やら砂糖やら塩やらまで置いてある。 そこからヒョイっと顔を出したのは、我等が将軍ヴァンプ様だ。 「いやー。こんなにたくさん貰っちゃった、私。バレンタインって、いいなあ」 女子高生から御近所の若い女性、婦人会のおば様まで、幅広い支持を得たヴァンプ様。 何を隠そう、川崎一のモテ男とは彼の事である。 こうして、バレンタインは十人十色に過ぎていくのだった。 ―――天体戦士サンレッド。 これは神奈川県川崎市で繰り広げられる、漢達の壮絶な――― 大事なことなのでもう一度言おう、壮絶な闘いの物語である!
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mission9>mission10>mission11 ⇔chapter8 ミッション詳細 ミッション名: 「雫」 ミッション説明: 制限時間内にヴァレンタインのマスターゴーストを破壊する、中規模な戦闘ミッションです。 「ORGAN」を使用してサーヴァントの召還を行うことが可能です。 条件 ■ROUND 1 ┣ 勝利条件: ヴァレンタインのマスターゴーストの破壊 ┣ 敗北条件: 自軍マスターゴーストの破壊 ┃ タイムアップ ┗ 制限時間: 15:00 攻略 NORMAL ほぼ「chapter8」と同じ。 自分の操作マスターとサーヴァントが変わっただけでやることは同じ。 対人戦を踏まえて遊んでいるなら、全キャラで特攻無しクリアを目指したいところ。 クリアするだけならサーヴァント持って特攻でおk HARD: 定期的にオルガンを開いて戦況確認、ブラストドライブでの戦地渡り、 兵種相性の把握、アイテム運用や売却などなど、それらの必要性が高く、vsCPUで一番メーレーアクションができます。 ※メーレーアクションで最重要な「マスター戦」が抜けてはいます。 難易度HARDなりに調整は効いていますが、対人戦ではサーヴァントが攻めてきた場所に相手マスターもいるし 相手マスターがサーヴァント回収して撒いていることもあると思ってください。 名前 コメント
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「ねえ、バレンタインデーの起源を知ってる?」 ハルヒが実にタイムリーな話題を振ってきたのは、学校中が甘い香りで満たされる日の朝のことだった。 「ん?何だって?」 「だから、バレンタインデーが始まった理由を知ってるかって聞いてるのよ!」 ふっ。聞いた相手が悪かったな。倫理の時間は寝てても、フロイト全集を網羅している俺に聞くとは。 「ローマ時代に殉教した司教を記念して始まったんだろ。戦争好きのバカ皇帝が強い兵士に妻はいらんと言って結婚を禁止する法律を作って、それを破って愛し合う男女を結婚させていたのが我らが聖ヴァレンティヌスだ。けっきょく皇帝にバレて処刑されちまったが、その涙ぐましい偉業を記念してできたのがバレンタインデーってわけだ」 俺が自慢げに知識を披露すると、ハルヒは残念そうなカオの総天然色見本みたいな顔をした。 「なーんだ。つまんない。せっかくキョンの頭を叩きながら教えてあげようと思ってたのに。まあいいわ。ここ、テストに出るから覚えておくように」 謎めいた言葉を残して、ハルヒは窓の方を向いた。俺が慌てて問い詰めようとすると、岡部が教室に入ってきちまった。 「今日は巷で噂のバレンタインデーであるが、こんなもの菓子会社の陰謀であること甚だしい。こんな金の無駄遣いに引っかかるのは中学生までである。ソンナコスルンダッタラ、ハンドボールヤロウゼ!」 ってな感じの、チョコレートをもらえない哀れな男臭がぷんぷんする迷演説でどっちらけのホームルームは締めくくられた。 それで午前の授業が始まったのだが、ぶっちゃけて言おう、先生方のありがたい言葉はまったく耳に入らなかった。世の青春まっしぐらな男子生徒と同じく、今年は女子からチョコレートもらえるかな~などと甘っちょろい妄想をしていたわけではない、と言ったら嘘になる。俺はチョコレートのことばかり考えていた。その最もたる原因は言わずもがな、ハルヒだ。 去年はニヤケやろうと鶴屋家の裏山を掘り返しただけで良かったが・・・・・・全然良くなかったと筋肉が猛烈な抗議をしているが忘れよう。とにかく、あの北高暴走特急は何をするか分かったもんじゃない。アメリカ軍から爆撃機を強奪してきて、 「キョン~たんとお食べ~」 と俺の頭に三十トンほどチョコレート爆弾を落とすことだって平気でやらかすだろう。ああ恐ろしや。 今年のキーワードは聖ウァレンティヌス。これは間違いないだろう。あいつから言ってきたからな。しかしながら、午前中全てを費やしても答えは出てこなかった。まったく思いつかん。 休み時間にハルヒに話しかけても、 「うっさい」 「放課後まで待ってなさい」 「しつこい」 「・・・・・・そんなに聖バレンタインデーの虐殺を再現して欲しいの?」 と取り付く島がなかった。どうなっちまうんだろうな、俺。チョコレートと一緒に煮られて公開釜茹での刑にでもされるのか? 普段より元気二十%ダウンで迎えた昼飯は、本命チョコと今日のオールバックに関する話を延々とする谷口のせいで、お袋の手作りコロッケの味すら分からなくなってしまった。谷口よ。お前はどんなに頑張っても義理チョコどまりな男臭がぷんぷんするぜ。 例によって午後の授業も身が入らず、あっという間に放課後を迎えてしまった。 「諸君はチョコレートを渡すなどという青少年にあるまじき行為をしないように。ソンナコスルンダッタラ、ハンドボールヤロウゼ!あと、先生は下校時間まで職員室にいるからな~質問や悩みがあったら軽い気持ちで来るんだぞ~いいな~?」 クウェート行き決定のハンドボールバカが教室から出て行くと、望外なことにクラスの女子一同から男子全員にチョコレートが配られた。これ考えたやつ頭いいな。女子は安上がりに義理チョコを配れて、男子はとりあえずみんな幸せになれる。本命さんには後でゆっくりと、って寸法だ。じゃんけんに負けて岡部にチョコレートを渡しに行った阪中は少し涙ぐんでたが・・・・・・ 「こんな偽物はいらない。俺は真の愛が詰まった一品だけを求めるのさっ!」 この大バカ者の名をあえて晒す必要があるだろうか?女子がドン引きしてるぞ。 「やれやれ」 俺はありがたい義理チョコをしばし堪能すると、クラスの中から一人だけ姿を消していた誰かさんの待つであろう文芸部室へと足を向けた。習性ってやつは恐ろしいね。 SOS団の根城になっている部屋の前に来ると、俺はまずドアに異常がないかチェックした。雑巾も挟まっていなかったし、対人地雷も仕掛けられていなかった。 次に朝比奈さんの着替え対策に軽くノックをする。 「入っていいわよ」 一番聞きたかった気もするし、一番聞きたくなかった気もする声がした。俺は呼吸を整えてから一声かけて中に入る。 「入るぞ」 一瞬目を疑ったね。ついでに心臓も一回転した。いつもは俺が座っているパイプ椅子に足を組んで座っていたハルヒは、それはそれは魅力的だったのだ。俺が小説家だったらハルヒの美しさを表す表現が二十通りくらい湧き出てたね。何でだろう、出ているオーラが違うというか。これでポニーテールだったら最高だったんだが・・・・・・って俺は何を考えてるんだ。 「みくるちゃんたちには帰ってもらったわ。はい、これあげる」 すくっと立ち上がったハルヒは一直線に俺の前に来て、丁寧に包装された箱を突きつけた。 「これを・・・・・・俺に?」 「そうよ。感謝しなさい。団長であるこのあたしが、しがない雑用係のために作ってきたんだから」 ハルヒは俺から視線をそらして答えた。ほんのわずかに頬が赤くなって上気しているからだろうか。 「おい、ハルヒ」 「何よ?」 「この箱と聖バレンタインはどんな関係があるんだ?」 「はあ?」 「空けようとしたら箱が爆発して俺がチョコまみれになって公開・・・」 やってくれたな、俺の口よ。見事に期待を裏切ってくれるなんて。いや、口のせいにするのは良くない。全ては俺のヘタレ根性が原因だよな。はあ、なんでこんな態度でしかハルヒに接することができないんだよ。このやり取りが一瞬でできたことにも嫌悪感を感じるぜ。 「・・・・・・っ!もう!」 ハルヒはマッハを超えたかと錯覚するくらいの素早さで後ろを向いた。遅れて風が俺の顔面をしたたかに打つ。 「チョコを渡したのがあたしで助かったわね。普通の女の子なら呆れ果てるか泣いてるところよ!」 表情をうかがうことはできないが、口調から察するにハルヒは怒っている。当然だよな・・・・・・俺は何も言えずに、ただハルヒの後頭部を見つめていた。ハルヒの髪ってこんなに綺麗だったんだな。 「あたしはSOS団の団長スズミヤ・ハルヒ様よ!常に不思議なことを捜し続けているから、恋なんていう病気にかかってる暇はないの!」 ハルヒの声が窓で反射して入り口のところに立っている俺に突き刺さる。 「でもね・・・・・・でもね、たまにはあたしを一人の女の子と見て欲しい。あんたにそれを望むのは贅沢かしら?」 おい、こんなハルヒ・・・・・・もう反則としか言いようがないぞ。俺は無意識のうちに最良と思われる行動を取っていた。 「ごめん。ハルヒ」 「悪いと思ったなら、何をするべきか考える!」 「分かった。チョコ、ありが・・・のわっ!?」 「ぷっ・・・あはははは!!」 箱の上面に触れた瞬間、黒い物体が飛び出してきて、俺は思わずしりもちをついてしまった。ハルヒの笑い声が哀れな俺に追い討ちをかける。 やられた・・・・・・ハルヒから渡されたのは、ばねで仕掛けが飛び出すびっくり箱だったのだ。ご丁寧に飛び出したばねの先っぽにチョコレートの塊が刺してある。 「キョン、あんた最高だわ!あはははは!こんな・・・くくっ・・・こんな簡単な手に引っかかるなんて!」 不思議と怒る気にはなれなかった。既に毒気を抜かれてしまっていたし、大声で笑い続けるハルヒに罵声を浴びせることなんかできなかったからな。 しかし、俺は悟りを開いた人間じゃなかったし、ましてや頬をぶたれたら反対側の頬も出してやれ、なんてのたまったキリストでもない。怒りはしないが、何か仕返しをしたくなる。俺は床に倒れた状態でできる最善の方法を取った。 「このっ!」 喰らえっ!必殺足払い! 「きゃっ」 見事にハルヒの足をすくった、までは良かった。後悔後先に立たず。 「あ・・・・・・」 倒れたハルヒは床にダイブすることは避けたものの、なんと、俺に覆いかぶさる体勢になってしまったのだ。ほのかな甘いシャンプーの匂いが降ってくる。いかん。理性が、息子が・・・・・・ 二人の間にしばし沈黙が流れた。バレンラインデーなのに、けなげにグラウンドで練習している野球部の連中の叫んび声が良く聞こえる。 「おい、ハ・・・」 正気を回復した俺が声を出した刹那、誰も来るはずのない文芸部室のドアが開かれた。 「うい~っす。WAWAWA忘れ物~♪・・・・・・のわっ!?」 はい、質問。今の俺たちを谷口のようなアホが見たらどう思うだろうか?答え、十中八九抱き合って愛を確かめている最中だと勘違いするだろうな。とっても簡単♪ 「すまん。ごゆっく・・・うげふっ」 「あんたは今、何を見たの?」 俺がこの場を急いで去ろうとした谷口に声をかける暇もなく、ハルヒがやつの首に手をかけていた。目測だが、今のスピードは確実にカール・ルイスを超えていたぞ・・・・・・ 「な・・・何って・・・・・・お前たちがあがががががががが」 「あんたは今、何を見たの?」 あの~ハルヒさん。少し手の力を緩めないと谷口が極楽浄土へ旅に出ちまいそうですよ。ところで、人の顔ってこんなに青くなるんだな。あっ緑になってきた。 「見て・・・はがっ・・・・・・見てないっ!・・・何も見てない!だから・・・・・・」 「そう。それでいいのよ」 ハルヒが森さんの妖絶な微笑に匹敵するほどの笑顔をして、ようやく手を離した。俺は悟った。この女を本気で怒らせてはならない。神に誓います・・・・・・神はこいつだったか。 「まったく。どうしてSOS団の本拠地にあんたが来るのよ」 のた打ち回っていた谷口がとたんに、手違いで砂漠に連れてこられて死に掛けていたトノサマガエルに水をかけたかのように生き返った。 「そうそう。そのことなんだけどな!俺、長門さんが部室に本を忘れ・・・ぐぎゃっ」 「有希が何であんたに忘れ物を取りに行くよう頼むのよ」 悪い、谷口。俺にはこいつを止める勇気がない。しかし、何故長門が谷口に? 「長門・・・・・・さんが俺・・・に・・・チョコをくれ・・・て・・・」 「おい、長門は今どこにいるんだ?」 冷静沈着なヒューマノイド・インターフェイスがこのアホにチョコを?ありえん。 「渡り・・・廊下に・・・・・・あべしっ」 「キョン!確かめに行くわよ!」 「おう!」 谷口を放り投げると、ハルヒと俺は一目散に走り出していた。やわらかいものがつぶれる音がしたが、かまいやしない。 「有希!!」 「長門!!」 谷口の供述通り、長門は渡り廊下の真ん中に立っていた。そして、俺たちが質問の山を投げかける前に、頭を下げて謝ってきた。 「ごめんなさい。わたしは明日本をとりに行くと言ったが、彼を止めることができなかった。結果としてあなたたちの楽しみを中断させてしまった」 「あたしたちのことはどうでも・・・・・・良くはないけど。そんなことより有希!谷口にチョコをあげたって本当なの?」 ハルヒが長門の両肩をつかんで尋問を始めた。おい、ゆすりすぎだ。長門がエラーを起こしちまう。 「本当」 「どうして!?」 「彼はユニーク」 俺の長門レーダーは、長門がわずかにむきになったのを探知した。どうやら長門は本気のようだな。 「でもあんなアホに・・・」 「止めとけ。ハルヒ」 俺はハルヒの肩に手を置いた。 「長門の好きなようにさせてやれよ。それに、他人の恋愛に手を出すつもりはないって言ってただろ」 「うぐっ・・・・・・それは・・・そうだけど」 ハルヒは黙ってくれた。お前が長門のことを心配してるのは分かるよ。だがな、変な気を起こした俺は谷口を信用しても良いと思っているのさ。 さて、自分の子供に対してノータッチを決め込んでいる長門の保護者に代わって、俺が少しだけ保護者面をしてやるか。 「長門が本気なら俺はただ、一つだけ聞いておくぞ。長門にとって谷口は何だ?」 この二年間で飛躍的に感情が豊かになった長門なら答えることができるはずだろ。長門は液体ヘリウムを溶かし込んだような目を二回まばたかせてから答えた。 「彼は・・・・・・わたしのペット」 渡り廊下の空気が全て宇宙空間へ吸い出された。あはは。情報伝達時の齟齬だと信じたいが、そう真顔で言われるとなぁ。隣を向くと、ハルヒも目が点になってる。 「よしっ、ハルヒ、部室に戻るぞ!!」 「そっそうね、キョン!じゃ、じゃあね、有希!!」 俺はハルヒの手をとって全速力で走り出した。途中で天に舞い上がりそうな調子で本を持ちながらスキップしてた谷口とすれ違った。頑張れ谷口。骨くらいは拾ってやる。残ってたらの話だが。 「ちょっと待って、キョン」 文芸部室まで十メートルほどになってハルヒが両足でブレーキをかけた。 「もっと手、しっかり握りなさい」 「・・・・・・はいよ」 知らない間にハルヒとはこんな間柄になってたのか。驚天動地だ。まあいい。俺がびっくり箱を開く前に遭遇したハルヒの心情はどうやら本物のようだったからな。俺はどこまでも付いていってやるよ。神でもなくSOS団の団長でもない。涼宮ハルヒという目の離せないおっかない女にな。ついでに、これに気づくきっかけを作ってくれた聖ヴァレンティヌスにも感謝してやってもいい。サンキュー、バレンタインデー。
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「ねえ、バレンタインデーの起源を知ってる?」 ハルヒが実にタイムリーな話題を振ってきたのは、学校中が甘い香りで満たされる日の朝のことだった。 「ん?何だって?」 「だから、バレンタインデーが始まった理由を知ってるかって聞いてるのよ!」 ふっ。聞いた相手が悪かったな。倫理の時間は寝てても、フロイト全集を網羅している俺に聞くとは。 「ローマ時代に殉教した司教を記念して始まったんだろ。戦争好きのバカ皇帝が強い兵士に妻はいらんと言って結婚を禁止する法律を作って、それを破って愛し合う男女を結婚させていたのが我らが聖ヴァレンティヌスだ。けっきょく皇帝にバレて処刑されちまったが、その涙ぐましい偉業を記念してできたのがバレンタインデーってわけだ」 俺が自慢げに知識を披露すると、ハルヒは残念そうなカオの総天然色見本みたいな顔をした。 「なーんだ。つまんない。せっかくキョンの頭を叩きながら教えてあげようと思ってたのに。まあいいわ。ここ、テストに出るから覚えておくように」 謎めいた言葉を残して、ハルヒは窓の方を向いた。俺が慌てて問い詰めようとすると、岡部が教室に入ってきちまった。 「今日は巷で噂のバレンタインデーであるが、こんなもの菓子会社の陰謀であること甚だしい。こんな金の無駄遣いに引っかかるのは中学生までである。ソンナコスルンダッタラ、ハンドボールヤロウゼ!」 ってな感じの、チョコレートをもらえない哀れな男臭がぷんぷんする迷演説でどっちらけのホームルームは締めくくられた。 それで午前の授業が始まったのだが、ぶっちゃけて言おう、先生方のありがたい言葉はまったく耳に入らなかった。世の青春まっしぐらな男子生徒と同じく、今年は女子からチョコレートもらえるかな~などと甘っちょろい妄想をしていたわけではない、と言ったら嘘になる。俺はチョコレートのことばかり考えていた。その最もたる原因は言わずもがな、ハルヒだ。 去年はニヤケやろうと鶴屋家の裏山を掘り返しただけで良かったが・・・・・・全然良くなかったと筋肉が猛烈な抗議をしているが忘れよう。とにかく、あの北高暴走特急は何をするか分かったもんじゃない。アメリカ軍から爆撃機を強奪してきて、 「キョン~たんとお食べ~」 と俺の頭に三十トンほどチョコレート爆弾を落とすことだって平気でやらかすだろう。ああ恐ろしや。 今年のキーワードは聖ウァレンティヌス。これは間違いないだろう。あいつから言ってきたからな。しかしながら、午前中全てを費やしても答えは出てこなかった。まったく思いつかん。 休み時間にハルヒに話しかけても、 「うっさい」 「放課後まで待ってなさい」 「しつこい」 「・・・・・・そんなに聖バレンタインデーの虐殺を再現して欲しいの?」 と取り付く島がなかった。どうなっちまうんだろうな、俺。チョコレートと一緒に煮られて公開釜茹での刑にでもされるのか? 普段より元気二十%ダウンで迎えた昼飯は、本命チョコと今日のオールバックに関する話を延々とする谷口のせいで、お袋の手作りコロッケの味すら分からなくなってしまった。谷口よ。お前はどんなに頑張っても義理チョコどまりな男臭がぷんぷんするぜ。 例によって午後の授業も身が入らず、あっという間に放課後を迎えてしまった。 「諸君はチョコレートを渡すなどという青少年にあるまじき行為をしないように。ソンナコスルンダッタラ、ハンドボールヤロウゼ!あと、先生は下校時間まで職員室にいるからな~質問や悩みがあったら軽い気持ちで来るんだぞ~いいな~?」 クウェート行き決定のハンドボールバカが教室から出て行くと、望外なことにクラスの女子一同から男子全員にチョコレートが配られた。これ考えたやつ頭いいな。女子は安上がりに義理チョコを配れて、男子はとりあえずみんな幸せになれる。本命さんには後でゆっくりと、って寸法だ。じゃんけんに負けて岡部にチョコレートを渡しに行った阪中は少し涙ぐんでたが・・・・・・ 「こんな偽物はいらない。俺は真の愛が詰まった一品だけを求めるのさっ!」 この大バカ者の名をあえて晒す必要があるだろうか?女子がドン引きしてるぞ。 「やれやれ」 俺はありがたい義理チョコをしばし堪能すると、クラスの中から一人だけ姿を消していた誰かさんの待つであろう文芸部室へと足を向けた。習性ってやつは恐ろしいね。 SOS団の根城になっている部屋の前に来ると、俺はまずドアに異常がないかチェックした。雑巾も挟まっていなかったし、対人地雷も仕掛けられていなかった。 次に朝比奈さんの着替え対策に軽くノックをする。 「入っていいわよ」 一番聞きたかった気もするし、一番聞きたくなかった気もする声がした。俺は呼吸を整えてから一声かけて中に入る。 「入るぞ」 一瞬目を疑ったね。ついでに心臓も一回転した。いつもは俺が座っているパイプ椅子に足を組んで座っていたハルヒは、それはそれは魅力的だったのだ。俺が小説家だったらハルヒの美しさを表す表現が二十通りくらい湧き出てたね。何でだろう、出ているオーラが違うというか。これでポニーテールだったら最高だったんだが・・・・・・って俺は何を考えてるんだ。 「みくるちゃんたちには帰ってもらったわ。はい、これあげる」 すくっと立ち上がったハルヒは一直線に俺の前に来て、丁寧に包装された箱を突きつけた。 「これを・・・・・・俺に?」 「そうよ。感謝しなさい。団長であるこのあたしが、しがない雑用係のために作ってきたんだから」 ハルヒは俺から視線をそらして答えた。ほんのわずかに頬が赤くなって上気しているからだろうか。 「おい、ハルヒ」 「何よ?」 「この箱と聖バレンタインはどんな関係があるんだ?」 「はあ?」 「空けようとしたら箱が爆発して俺がチョコまみれになって公開・・・」 やってくれたな、俺の口よ。見事に期待を裏切ってくれるなんて。いや、口のせいにするのは良くない。全ては俺のヘタレ根性が原因だよな。はあ、なんでこんな態度でしかハルヒに接することができないんだよ。このやり取りが一瞬でできたことにも嫌悪感を感じるぜ。 「・・・・・・っ!もう!」 ハルヒはマッハを超えたかと錯覚するくらいの素早さで後ろを向いた。遅れて風が俺の顔面をしたたかに打つ。 「チョコを渡したのがあたしで助かったわね。普通の女の子なら呆れ果てるか泣いてるところよ!」 表情をうかがうことはできないが、口調から察するにハルヒは怒っている。当然だよな・・・・・・俺は何も言えずに、ただハルヒの後頭部を見つめていた。ハルヒの髪ってこんなに綺麗だったんだな。 「あたしはSOS団の団長スズミヤ・ハルヒ様よ!常に不思議なことを捜し続けているから、恋なんていう病気にかかってる暇はないの!」 ハルヒの声が窓で反射して入り口のところに立っている俺に突き刺さる。 「でもね・・・・・・でもね、たまにはあたしを一人の女の子と見て欲しい。あんたにそれを望むのは贅沢かしら?」 おい、こんなハルヒ・・・・・・もう反則としか言いようがないぞ。俺は無意識のうちに最良と思われる行動を取っていた。 「ごめん。ハルヒ」 「悪いと思ったなら、何をするべきか考える!」 「分かった。チョコ、ありが・・・のわっ!?」 「ぷっ・・・あはははは!!」 箱の上面に触れた瞬間、黒い物体が飛び出してきて、俺は思わずしりもちをついてしまった。ハルヒの笑い声が哀れな俺に追い討ちをかける。 やられた・・・・・・ハルヒから渡されたのは、ばねで仕掛けが飛び出すびっくり箱だったのだ。ご丁寧に飛び出したばねの先っぽにチョコレートの塊が刺してある。 「キョン、あんた最高だわ!あはははは!こんな・・・くくっ・・・こんな簡単な手に引っかかるなんて!」 不思議と怒る気にはなれなかった。既に毒気を抜かれてしまっていたし、大声で笑い続けるハルヒに罵声を浴びせることなんかできなかったからな。 しかし、俺は悟りを開いた人間じゃなかったし、ましてや頬をぶたれたら反対側の頬も出してやれ、なんてのたまったキリストでもない。怒りはしないが、何か仕返しをしたくなる。俺は床に倒れた状態でできる最善の方法を取った。 「このっ!」 喰らえっ!必殺足払い! 「きゃっ」 見事にハルヒの足をすくった、までは良かった。後悔後先に立たず。 「あ・・・・・・」 倒れたハルヒは床にダイブすることは避けたものの、なんと、俺に覆いかぶさる体勢になってしまったのだ。ほのかな甘いシャンプーの匂いが降ってくる。いかん。理性が、息子が・・・・・・ 二人の間にしばし沈黙が流れた。バレンラインデーなのに、けなげにグラウンドで練習している野球部の連中の叫んび声が良く聞こえる。 「おい、ハ・・・」 正気を回復した俺が声を出した刹那、誰も来るはずのない文芸部室のドアが開かれた。 「うい~っす。WAWAWA忘れ物~♪・・・・・・のわっ!?」 はい、質問。今の俺たちを谷口のようなアホが見たらどう思うだろうか?答え、十中八九抱き合って愛を確かめている最中だと勘違いするだろうな。とっても簡単♪ 「すまん。ごゆっく・・・うげふっ」 「あんたは今、何を見たの?」 俺がこの場を急いで去ろうとした谷口に声をかける暇もなく、ハルヒがやつの首に手をかけていた。目測だが、今のスピードは確実にカール・ルイスを超えていたぞ・・・・・・ 「な・・・何って・・・・・・お前たちがあがががががががが」 「あんたは今、何を見たの?」 あの~ハルヒさん。少し手の力を緩めないと谷口が極楽浄土へ旅に出ちまいそうですよ。ところで、人の顔ってこんなに青くなるんだな。あっ緑になってきた。 「見て・・・はがっ・・・・・・見てないっ!・・・何も見てない!だから・・・・・・」 「そう。それでいいのよ」 ハルヒが森さんの妖絶な微笑に匹敵するほどの笑顔をして、ようやく手を離した。俺は悟った。この女を本気で怒らせてはならない。神に誓います・・・・・・神はこいつだったか。 「まったく。どうしてSOS団の本拠地にあんたが来るのよ」 のた打ち回っていた谷口がとたんに、手違いで砂漠に連れてこられて死に掛けていたトノサマガエルに水をかけたかのように生き返った。 「そうそう。そのことなんだけどな!俺、長門さんが部室に本を忘れ・・・ぐぎゃっ」 「有希が何であんたに忘れ物を取りに行くよう頼むのよ」 悪い、谷口。俺にはこいつを止める勇気がない。しかし、何故長門が谷口に? 「長門・・・・・・さんが俺・・・に・・・チョコをくれ・・・て・・・」 「おい、長門は今どこにいるんだ?」 冷静沈着なヒューマノイド・インターフェイスがこのアホにチョコを?ありえん。 「渡り・・・廊下に・・・・・・あべしっ」 「キョン!確かめに行くわよ!」 「おう!」 谷口を放り投げると、ハルヒと俺は一目散に走り出していた。やわらかいものがつぶれる音がしたが、かまいやしない。 「有希!!」 「長門!!」 谷口の供述通り、長門は渡り廊下の真ん中に立っていた。そして、俺たちが質問の山を投げかける前に、頭を下げて謝ってきた。 「ごめんなさい。わたしは明日本をとりに行くと言ったが、彼を止めることができなかった。結果としてあなたたちの楽しみを中断させてしまった」 「あたしたちのことはどうでも・・・・・・良くはないけど。そんなことより有希!谷口にチョコをあげたって本当なの?」 ハルヒが長門の両肩をつかんで尋問を始めた。おい、ゆすりすぎだ。長門がエラーを起こしちまう。 「本当」 「どうして!?」 「彼はユニーク」 俺の長門レーダーは、長門がわずかにむきになったのを探知した。どうやら長門は本気のようだな。 「でもあんなアホに・・・」 「止めとけ。ハルヒ」 俺はハルヒの肩に手を置いた。 「長門の好きなようにさせてやれよ。それに、他人の恋愛に手を出すつもりはないって言ってただろ」 「うぐっ・・・・・・それは・・・そうだけど」 ハルヒは黙ってくれた。お前が長門のことを心配してるのは分かるよ。だがな、変な気を起こした俺は谷口を信用しても良いと思っているのさ。 さて、自分の子供に対してノータッチを決め込んでいる長門の保護者に代わって、俺が少しだけ保護者面をしてやるか。 「長門が本気なら俺はただ、一つだけ聞いておくぞ。長門にとって谷口は何だ?」 この二年間で飛躍的に感情が豊かになった長門なら答えることができるはずだろ。長門は液体ヘリウムを溶かし込んだような目を二回まばたかせてから答えた。 「彼は・・・・・・わたしのペット」 渡り廊下の空気が全て宇宙空間へ吸い出された。あはは。情報伝達時の齟齬だと信じたいが、そう真顔で言われるとなぁ。隣を向くと、ハルヒも目が点になってる。 「よしっ、ハルヒ、部室に戻るぞ!!」 「そっそうね、キョン!じゃ、じゃあね、有希!!」 俺はハルヒの手をとって全速力で走り出した。途中で天に舞い上がりそうな調子で本を持ちながらスキップしてた谷口とすれ違った。頑張れ谷口。骨くらいは拾ってやる。残ってたらの話だが。 「ちょっと待って、キョン」 文芸部室まで十メートルほどになってハルヒが両足でブレーキをかけた。 「もっと手、しっかり握りなさい」 「・・・・・・はいよ」 知らない間にハルヒとはこんな間柄になってたのか。驚天動地だ。まあいい。俺がびっくり箱を開く前に遭遇したハルヒの心情はどうやら本物のようだったからな。俺はどこまでも付いていってやるよ。神でもなくSOS団の団長でもない。涼宮ハルヒという目の離せないおっかない女にな。ついでに、これに気づくきっかけを作ってくれた聖ヴァレンティヌスにも感謝してやってもいい。サンキュー、バレンタインデー。